海外旅行にワクワク出来る旅行の本クラシック
ある本に出会ってしまったせいでそれからの人生が大きく変わってしまう。読むと今すぐ海外旅行に行きたくなってしまう、エッセーや紀行文、日記の西暦2000年より前の名著を厳選して紹介します。自己啓発の本を読むよりもずっと前向きになれる、心の底から情熱がわいてくる、そんな本たちです。
深夜特急 1~6 合本 Kindle版
沢木 耕太郎
「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く――。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。...」
東南アジアを旅するバックパッカーのバイブル。楽しい!、幸せ!だけじゃない旅がここにある。海外旅行で一人旅をする前に読んでほしい本。
河童が覗いたヨーロッパ
妹尾 河童
新潮文庫
部屋にもお国柄が出る。「少年 H」の妹尾 河童氏が1年間、22カ国、泊った部屋の数が115室。旺盛な好奇心で覗いた“手描き”のヨーロッパ。スマホでバシバシ撮った写真にはない味わいがスケッチにある。
オーパ!
開高健
高橋昇 (写真)
集英社文庫
ジャングルを蛇行するアマゾンは魚たちのユートピア。名魚トクナレや殺し屋ピラーニヤ、黄金の魚ドラドなど、巨魚・怪魚を求めて褐色の大河に挑んだ60日、驚異の16、000キロを豪華カラー写真付きで。
地球どこでも不思議旅 Kindle版
椎名誠
メキシコ、中国、日本、行く先々で大コーフン、シーナ旅紀行第1作。プロレスに憧れて王国メキシコへ。ラーメンにひかれて中国シルクロードを駆けめぐる。世界おもしろ見聞記。
ヨーロッパ退屈日記
伊丹十三
新潮文庫
1961年、俳優としてヨーロッパに長期滞在した著者は、語学力と幅広い教養を武器に、当地での見聞を洒脱な文体で綴り始めた。上質のユーモアと、見識という名の背骨を通した文章は、戦後日本に初めて登場した本格的な「エッセイ」だった。山口瞳は「私は、この本が中学生・高校生に読まれることを希望する。汚れてしまった大人たちではもう遅いのである」とオススメ。
旅をする木
星野道夫
文春文庫
「あの頃、ぼくの頭の中は確かにアラスカのことでいっぱいでした。まるで熱病に浮かされたかのようにアラスカへ行くことしか考えていませんでした――」
写真家星野道夫氏は1978年、26歳でアラスカに初めて降り立った時から、その美しくも厳しい自然と動物たちの生き様を写真に撮る日々。その中で出会ったアラスカ先住民族の人々や、開拓時代にやってきた白人たちの生と死が隣り合わせとなった生活を33編収録。
雨天炎天
ギリシャ・トルコ辺境紀行
村上春樹
新潮文庫
「女」と名のつくものはたとえ動物であろうと入れない、ギリシャ正教の聖地アトス。険しい山道にも、厳しい天候にも、粗食にも負けず、アトスの山中を修道院から修道院へひたすら歩くギリシャ編。一転、若葉マークの四駆を駆って、ボスフォラス海峡を抜け、兵隊と羊と埃がいっぱいのトルコ編。タフでハードな冒険の旅は続く
場所はいつも旅先だった
松浦弥太郎
集英社文庫
UNIQLOでの連載も好評な松浦弥太郎氏。サンフランシスコのアパートで恋人と過ごした土曜日の午後。ニューヨークの老舗古書店で大切なことを教わった日。18歳のときに初めてアメリカを旅してからずっと、いくつもの出会いと、かけがえのない日々をくれた場所はいつも「旅先」だった。『暮しの手帖』編集長の著者が、自身の旅について飾らない言葉でひとつひとつ綴った自伝的エッセイ。
三島由紀夫紀行文集
佐藤秀明 編
岩波文庫
三島由紀夫は、南北アメリカ、欧州、アジア各国を、晩年まで旅行している。
『アポロの杯(さかずき)』は、20代の三島の初めての世界旅行の記録で、その後の作家の転換点となった重要作。三島の海外、国内の紀行文集を初めてまとめた。Iは単行本『アポロの杯』。IIは、『アポロの杯』以後の海外紀行文、IIIは、国内の紀行文の3部で構成。
マレー蘭印紀行
金子光晴
中公文庫
昭和初年、夫人森三千代とともに流浪する詩人金子光晴の旅は、いつ果てるともなくつづく。東南アジアの圧倒する自然の色彩と、そこに生きるものの営為を、ゆるぎない愛と澄明な詩心で描く。戦前紀行文の傑作。
ボローニャ紀行
文春文庫
井上ひさし
「国という抽象的な存在ではなく、目に見える赤煉瓦の街、そしてそこに住む人たちのために働く、それがボローニャの精神」。文化による都市再生のモデルとして、世界に知られたイタリアの小都市ボローニャ。街を訪れた著者は、人々が力を合わせて理想を追う姿を見つめ、思索を深めていく。豊かな文明論的エセー。
どくとるマンボウ航海記
北杜夫
新潮文庫
北杜夫のユーモラスな筆致が楽しい、旅行記ものの先駆的作品。水産庁の漁業調査船に船医として五か月の航海に出た著者が、航海生活や寄港した世界各地の風景や文化をめぐり、ユニークな文明批評を織り込んで綴った型破りの航海記。
何でも見てやろう
小田実
講談社文庫
若さと知性と勇気にみちた体当り世界紀行。留学生時代の著者が、笑顔とバイタリティーで欧米・アジア22ヶ国を貧乏旅行して、先進国の病根から後進国の凄惨な貧困まで、ハラにこたえた現実を、見たまま感じたままに書いたベスト&ロングセラーの快著。
1979
若き数学者のアメリカ
藤原正彦
新潮文庫
「国家の品格」がベストセラーになった著者が1972年の夏、ミシガン大学に研究員として招かれる。セミナーの発表は成功を収めるが、冬をむかえた厚い雲の下で孤独感に苛まれる。翌年春、フロリダの浜辺で金髪の娘と親しくなりアメリカにとけこむ頃、難関を乗り越えてコロラド大学助教授に推薦される。知識は乏しいが大らかな学生たちに週6時間の講義をする。自分のすべてをアメリカにぶつけた青年数学者の躍動する体験記。
英国に就て
吉田健一
ちくま学芸文庫
絵画や彫刻、音楽だけが文化なのではない。あたりまえの日常にいちばん近い部分を発達させること。それこそが文化なのだ。吉田健一は、エリザベス朝にはすでに水洗トイレがあったことを指摘し、そこに実用性を重んじるイギリス文化の本質を見る。イギリスで他の芸術に比して文学が発達したのも、文化的であろうとしたからではなく、日常の言葉へのこだわりが、自然と、詩や小説というものになっていったからなのだ―。胡瓜のサンドイッチやハムの味、酒の飲み方など、身近な話題を入口に、いつの間にか本質的な部分へと読者をいざなう、名人芸的文化論。
1994
ボクの音楽武者修行
小澤征爾
新潮文庫
40年前の「世界のオザワ」のスゴイ挑戦。「外国の音楽をやるためには、その音楽の生まれた土地、そこに住んでいる人間をじかに知りたい」という著者が、スクーターでヨーロッパ一人旅に向かったのは24歳の時だった……。ブザンソン国際指揮者コンクール入賞から、カラヤン、バーンスタインに認められてニューヨーク・フィル副指揮者に就任するまでを、ユーモアたっぷりに語った「世界のオザワ」の自伝的エッセイ。
天国に一番近い島
森村桂
絶版
一年中花が咲き、マンゴやパパイヤがたわわに実る夢のような島―それこそ亡き父が幼い頃に話してくれた“天国にいちばん近い島”にちがいない…。まだ、外国へ行くのが難しかった時代、思いがけない人の善意から、南太平洋の島ニューカレドニアへ旅立った「私」はさまざまな体験をするロングセラー旅行記。
オン・ザ・ロード
ジャック・ケルアック
青山南 訳
河出文庫
ひたすらにアメリカを横断する。情熱とパワー。若い作家サルとその親友ディーンは、自由を求めて広大なアメリカ大陸を疾駆する。順応の50年代から叛逆の60年代へ、カウンターカルチャー花開く時代の幕開けを告げ、後のあらゆる文化に決定的な影響を与えた伝説の書。バロウズやギンズバーグ等実在モデルでも話題を呼び、ボブ・ディランに「ぼくの人生を変えた本」と言わしめた青春のバイブル。